The Adventure of the Three Students Part One「三人の学生 第一話」和訳

NHKのラジオ番組「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ(Enjoy Simple English)」では、簡単な英語でいろんなストーリーを楽しむことができます。

この番組には、和訳(日本語訳)が付いていません。「英語で聴きなはれ」というわけです。

でも「和訳がほしい」と思う方もいらっしゃいますね。そんな方へ向けて、私の拙訳を公開します。逐語訳ではありません。内容をつかむための参考になさってください。

今回は、かのコナン・ドイル原作 ‘ The Adventure of the Three Students (三人の学生)の第一話です。では、どうぞ。

三人の学生 第一話

ある夜のこと、ヒルトン・ソームズという大学教授がホームズの部屋にやってきた。ソームズ氏は言った。

「ホームズさん。助けてください。

今日、明日行われる試験の問題用紙をチェックしていたんです。その試験問題用紙は、今日印刷所から受け取ったものです。

で、私は1時間ほど部屋を空けました。私が部屋に戻ると、ドアの鍵が開いていて、そして、すぐに気づいたんです。誰かが試験用紙を動かしたということに。

数枚のページが床に落ちていました。はじめは使用人のバニスターがやったのかと思いましたが、でもバニスターは正直者でして、決してそんなことをするはずがありません」

「それで、バニスターさんは今どこにいるんですか?」

「何が起きたかを私が説明すると、バニスターは具合を悪くして、椅子に座り込んでしまいました。私はバニスターをそのままそこに残して、あなたに会いに来たんです。

ホームズさん。私が思うに、私の部屋のドアがロックされていないことに誰か学生が気づいて、試験問題用紙に目を通してしまったんじゃないか、と。

明日の試験には、多額の奨学金を受け取れるかどうかがかかっています。だから、関係する学生にとってはとても重要なものなんです。私と同じ宿舎で暮らす3人の学生が、この試験を受ける予定です」

「なるほど。その謎の人物は何か手がかりを残していきましたか?」

「ええと・・・折れた鉛筆のかけらが床に落ちていました。そして、机には傷が残っていました。それからまた、土のかけらを私は見つけました」

ホームズはそれを聞き、笑みを浮かべて言った。

「あなたの部屋を調べにいきましょう」

ソームズ氏の部屋は1階にあった。

はじめにホームズは、窓から部屋の中を覗き込んだ。窓は高い位置にあって、部屋の中を覗き込むために、ホームズはつま先立ちになる必要があった。

ホームズは言った。

「あなたの使用人はいなくなりましたね。どの椅子に彼は座っていたんですか」

「窓のそばの椅子です」

「そうですか。

その謎の人物は、窓のそばの机を使って試験問題用紙を写しとっていた。だとすると、あなたが部屋に戻ったとき、その謎の人物からあなたのことが目に入ったことになる。

その人物はとても慌てて、それで鉛筆を折ってしまった。ああ、ここに土のかけらがあるな。この土は独特な形をしている。まるでピラミッドのようだ。それから、あなたの机の上に傷がありますね。

ソームズさん。もう一つの部屋を見てもいいですか」

「もちろんです。あちらは私の寝室です」

ホームズはすべてを観察し、そして突然、ひざまずいて言った。

「やあやあ。土の塊がここにもあった。あなたの机の上にあったのと同じ形をしていますね。

ああ、その謎の人物は、この部屋に入ってきて、そしてここに隠れたんだ。さてソームズさん。その三人の学生について聞かせてください」

「ええ・・・。ギルクリスト君はとても優秀な学生で、アスリートでもあります。彼は走り幅跳びの選手で、とても背が高いんです。彼の家族は、かつて裕福だったのですが、今は困窮しています。

ラス君は物静かな学生で、明日の試験科目のギリシャ語を除けば、良い成績をとっています。

マクラーレン君は、賢いのですが、平生一生懸命勉強しているわけではありません。彼は明日の試験には困っていたかもしれません」

「分かりました。今度はバニスターさんと話をさせてください」

(「三人の学生 第二話」へ続く)